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中医薬の簡単紹介
中国医学とは、2千年もの歴史を持つ中国伝統の医学です。絶え間ない実践を積み重ねてきたこの伝統医学は、一歩また一歩と完璧な姿に近づいています。しかしながら、まだまだ研究する余地のあるこの伝統医学は、宝の宝庫ということが言えましょう。いまや日本、韓国を中心とするアジアをはじめ、ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカ、カナダ、南アフリカ・・・などなど、中国人のいる場所にはどこにでも中医薬が存在しています。そして、それぞれの中医師たちは、中医薬の普及発展に地道な努力を続けてきました。これは、現在も続いています。この地道な努力が世界的な「中医薬ブーム」を産み出しました。いま、世界中は「中医薬ブーム」に沸いています。もちろん、ここ香港も例外ではありません。 科学の発達により、この百年間で現代医学はめざましい発展を遂げました。人体については、すでにDNAの研究にまで着手される世の中となっています。しかしながら、悠久のかなたに源を発する中医の治療方法が、歴史の途中で淘汰されることなく、今ではかえって注目されてき始めていることも事実です。これは、中医薬に明らかな治療効果のあることや副作用の現れる度合いが著しく少ないことなどがわかってきたからだと言えます。この点においても中医薬は現代医学に比べ、決して遜色のないものだと言えるでしょう。 現代医学は解剖学を重視しており、人体の生理や病理の研究を分析化、細分化して行く傾向にあります。それに対し、中医学はこの2千年来「全体観」を重要視してきました。この「全体観」というのは、人間は矛盾し合う各種の機能が複雑に組み合わさって有機的に統一された総合体であると共に自然界の一部分であるという考え方です。そのため、どのような症状ひとつをとっても、四診(望:視覚による診察、聞:聴覚、臭覚による診察、問:問診、切:触診)という中医独特の診察法を通して疾病の原因、経過、性質、部位などの情報を集め、八綱弁証(陰陽、表�堙B寒熱、虚実)というものさしに従って弁別し、一連の症状をそれぞれ違った証型、つまり症候群にわけるというステップをとります。そして、どの症状に関してもそれだけが独立したものであるという捉え方をせず、弁別の段階で各臓器、経絡及び気血の盛衰状態などのバランスにも注意することになります。このように中医は、マクロ的な方法で病気を見ているのです。これが、つまり中医学で概括される二つの特徴、「全体観」と「弁証論治」なのです。 中医は身体全体を調整することで、陰陽、気血、五臓六腑の働きをバランスよくして全体の機能を回復し、経絡を通すことによって治療の目的を果たしています。中医のこのような病人を全体としてみるマクロ的療法は、現代医学の細分化的傾向にあるミクロ的療法の不足点を補うのに適していると思われます。ことばをかえて言うならば、中国医学と現代医学とが結合することで、お互いの不足分を補い合い、より理想的な医学へと発展していくことが期待されます。 古代に源を発する中医学は、当時の素朴な唯物弁証法の影響を受けました。中医理論に、人体の生理及び病理の変化は、自然界の季節の変化の影響を受けているというのがあります。そのため、中医には、「四季に応じた養生」、「四季に応じて病を治す」などといった養生の方法や治療の方法があるのです。これは、いわゆる異なった場所での気候の違い(因時制宜)や、食生活の習慣の違い(因地制宜)、そして個人の体質の違い(因人制宜)をも考慮して治療法を決めるといったことにつながります。 中医が記す処方箋は、どれをとっても四診、八綱弁証にのっとった考え方に加え、場所、習慣の違いや個人の体質などにも及び、病人の身体情況を全て考慮に入れた「その人だけ」のものになっています。これは、中医の臨床における長所であると同時に短所でもあるということが言えます。なぜなら、一枚の処方箋は、現代医学の薬のように普遍性がなく、ある病人のその時の状態でしか使用することができないからです。 中医の得意とする分野は、感冒、咳、喘息、頭痛、めまい、不眠、動悸、肝炎、坐骨神経痛、リューマチ、アレルギー性疾患、湿疹、にきびなどのウイルス性、機能性、神経性疾患そして生理不順、不妊、月経困難症、機能性子宮出血、更年期障害、内分泌のアンバランス、産後の衰弱などの婦人病、ほかにも一々数え切れないほどの多岐に及んでいます。 他方、中医には「固本培元」という概念があります。これは、滋養のあるものを食べ、漢方スープを飲んで栄養をつけたり、気?#12420;太極拳で体を鍛えたり、感情表現を調節するなど種々の違った方法によって身体を丈夫にし、病気を防いだり病気にかかる回数を少なくしたりすることを指しています。これは、特に中高齢者や虚弱体質の方に有効な方法です。 自然の一部であり自然から来た人間が、病気の時に、その治療方法を自然に求めるといった自然の摂理にかなったやり方が、中医薬を世界的なブームにした原因の一つかもしれません。
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